大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和27年(あ)4044号 判決 1954年2月26日

本籍

京都市上京区上御靈馬場町三九八番地

住居

大阪市城東区蒲生町一丁目六六番地 産興住宅内

日傭労務者

吉松直孝

昭和二年二月七日生

本籍

朝鮮慶尚北道盈徳郡柄谷面釜谷里

住居

大阪府中河内郡巽町大字西足代四八〇番地 平淵広政方

日傭労務者

權燦祖

大正一二年一〇月一〇日生

右の者等に對する建造物侵入被告事件について昭和二七年六月二日大阪高等裁判所の言渡した判決に對し各被告人から上告の申立があつたので当裁判所は次のとおり判決する。

主文

本件各上告を棄却する。

理由

被告人両名の弁護人山本治雄の上告趣意第一点について、

憲法二八条は使用者對被使用者すなわち勤労者というような関係に立つものの間において、経濟上の弱者である勤労者のために団結權ないし団体行動權を保障し、もつて適正な労働条件の維持改善を計らしめようとしたものに外ならないと解すべきことは、当裁判所大法廷の判例とするところである(集三巻六号七七二頁以下参照)。ところで、本件においては原判示城東公共職業安定所今里労働出張所と被告人等が代表した日傭労働者とは使用者對勤労者というような関係に立つものではないのであるから、被告人等の本件所為が憲法二八条の保障する団結權ないし団体交渉その他の団体行動權の行使に該当しないことは多言を要しない。即ち、所論違憲論はその前提を欠くもので、採用に値しない。

同第二点は量刑不当の主張であつて、刑訴四〇五条の上告理由にあたらない。

なお、記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 霜山精一 裁判官 栗山茂 裁判官 小谷勝重 裁判官 藤田八郎 裁判官 谷村唯一郎)

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